ドルポ基金について

ドルポ基金

1996年より草の根運動的に続けている支援事業です。
支援活動によるこの10年の成果は、ティンギー村での医療センターとパブリックホールの建設、医薬品・医療器具および当地で医療に従事する人材育成のための就学費用の援助などがあります。
これらの資金は、会員はじめ多くの個人的浄財のほか、東京荏原ロータリークラブ、国際ソロプチミストあきる野、国際ボランティア貯金などの援助で行ってきました。
しかし、ヒマラヤ奥地の辺境地域です。まだまだ支援が必要です。私たちは、これからも地道に支援活動を継続していきます。

Earth Works Society および ドルポ基金の歩み

1996年 大谷映芳が中心となり、ドルポ基金を設立。ネパール(旧王国)の北西、チベットとの国境に接するドルポ地方に対して、「将来、村の役に立つ人間を育てる」という考えに基づき援助活動を開始。この年はドルポ地方出身の子供二人ソナム・サングモ、チリン・メトを、ネパールの首都カトマンズにあるマウント・カイラス学校に奨学生として招き就学の援助を始める。
1997年 奨学生援助について、東京荏原ロータリークラブ(現在は東京品川中央ロータリークラブ)から資金援助を受けることになり、現在も続いており毎年学校を訪問している。
1999年
6月
3人目の奨学生、チェリン・チョギャル・グルンがマウント・カイラス学校に入学。
2001年
8月
国際ボランティア貯金の援助を受け、ドルポ地方ティンギュー村にドルポ医療センター建設を開始。4人目の奨学生ソナム・ドマがマウント・カイラス学校に入学。
2002年
7月
ティンギュー村のドルポ医療センターが完成。
ドルポ基金の援助を受け、マウント・カイラス学校で就学していたソナム・サングモ氏が同校を卒業。ティンギュー村に戻り、医療センターのセンター長に就任。また、医療センターの完成に合わせて、ドルポ基金の日本人スタッフ4名がティンギュー村を訪問。スタッフの医師2名が現地で医療活動を行う。また、カトマンズで学ぶ奨学生に対し秋川仏教会からの支援が決まる。
2003年
1月
ドルポ基金の日本人スタッフ3名がカトマンズを訪問、医療センター長のソナム・サングモ氏より活動報告を受ける。
2002年に医療センターを訪れた患者は延べ157名。また、医療に関する専門知識習得を希望するソナム・サングモ氏に対し、研修受け入れ先の紹介、費用等について援助を行う。
6月 ドルポ地方で登山活動を行う大阪山の会の協力を受け、医療センターへ医薬品の補充を行う。
8月 国際ソロプチミストあきる野、ブルーポピーの会、東京品川中央ロータリークラブ、国際ボランティア貯金等からの援助を受け、ティンギュー村にパブリック・ホールの建設を開始。
2004年
2月
ドルポ基金の大谷映芳がカトマンズを訪問。新たにマウント・カイラス学校で就学を援助する奨学生の選出方法、医療センターの運営、パブリック・ホールの建設等について、ドルポ地方の住民を交えて討議を行う。
2003年に医療センターで治療を受けた患者は約200名。ソナム・サングモ氏に対する医療研修については、この年も継続して援助を行う。
6月 医療センターへの医薬品の補充を行う。
2005年
5月
パブリック・ホールが完成。日本から4名のスタッフが現地に赴き、ホールの完成を祝うとともに村民の診療を行う。また、マウント・カイラース学校に5人目の子供チェリン・ドルジが入学。
これまでのドルポ基金による活動を充実したものとし、また支援活動の範囲を広げるためにNPO法人EARTH WORKS SOCIETY(略称:EWS)を設立する。ドルポ基金はEWSの独立した部門として、ドルポへの支援を将来も続けることとなった。
2006年
11月
理事長の大谷がカトマンズを訪問。マウント・カイラス学校で学ぶ4人の子供たちとの面談、学校への諸費用の支払いなどを行う。また、卒業したチリン・メトが教員免許取得のため翌年のカレッジ進学を確認する。
2007年
7月
会員8名が、約一ヶ月にわたる奥ドルポ探索を行いティンギュー村に三日間滞在。医療センターやパブリック・ホールの使用状況調査を行うと共に、今後の運営について村民代表と協議を行う。6人目の子供チェンゾン・グルンが、マウント・カイラス学校に入学。
8月 ドルポからの初めての奨学生チリン・メトは、高校卒業資格試験を優秀な成績でパスし、カトマンズ市内にあるザビエル・カレッジに入学した。
2008年
6月
会員8名で奥ドルポへ向かうが不慮の事故により断念、ムスタンの旅に変更する。カトマンズのマウント・カイラス学校を訪問し、奨学生と面会激励する。
2009年
6月
大谷理事長カトマンズを訪問し、奨学生と面談。
11月 ドルポ出身の画家テンジン・ヌルブ氏を日本に招へい、札幌・群馬・東京・名古屋で展覧会を行う。各会場の展覧会は大変盛況で、来場者にドルポへの理解を深めてもらうことが出来た。
2010年
6月
会員2名がカレッジを卒業したチリン・メト氏と共に奥ドルポ・ティンギュー村を訪問し、医療センターおよびパブリック・ホールの視察を行う。また、画家テンジン・ヌルブ氏がスイス、フランスの支援で現地に建設したドルポ・クーラ・マウンテン学校に、チリン・メト氏が先生として赴任することになった。
ドルポ基金設立時の目的が達成でき、関係者一同大変うれしく思い、今後の励みにもなった。
11月 2回目となるテンジン・ヌルブ氏の展覧会を翌年の1月まで、東京、群馬、京都、茨城にて行い、成功裏に終わらせることが出来た。
2011年
6月
会員4名で、ティンギュー村を訪問し、医療センターとパブリック・ホールの視察を行い、今後の運営について村人たちと討議を行った。
10月 ドルポの画家テンジン・ヌルブ氏の3回目の展覧会を、東京、高野山、群馬、笠間にて開催した。
2012年
2月
ドルポ医療センター長のソナム・サングモ氏がかつてより体調不良を訴えていたため、日本での診療 を受ける。
2012年
7月
奨学生援助の四人目の少女、ソナム・ドマさんは今年4月にマウント・カイラス学校を卒業、将来、医療関係を学ぶため Brihaspati Vidyasadan Collageに進学した。
2014年
11月
カレッジで二年間学んだソナム・ドマは7月に優秀な成績で卒業、医学の道を進むべくフィリピンマニラ市にある私立大学、Manila Central University(MCU) への入学を果たす。
2016年
7月
EWS会員3名にて、5年ぶりにドルポのティンギュー村を訪問する。ソナム・サングモは結婚し二児の母親となっていたが、私たちが毎年届ける医薬品を村人に配布し、応急処置や簡単な手術もするようで、医療センター長としての役割を果たしてくれていた。
2017年
7月
EWS会員5名はネパール・ドルポ地区B型肝炎根絶支援活動の予備調査としてティンギュー村を訪れた。神尾ドクターを中心に、クーラ・マウンテン小学校で学ぶ児童106名に対しHBs抗原の診断検査を行った。 同じく7月、マウント・カイラス学校を無事に卒業したツェリン・ドルジはカトマンズにあるGolden Gate International Collegeに入学、チョンゾン・グルンは9月に、高知県の明徳義塾高等学校に留学することが決まった。
2018年
4月
マニラで医学の道を目指し勉学に励んでいたソナム・ドマだったが、健康上の理由で進学を断念。大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)で主に国際関係を学ぶことになった。
2019年
9月
EWS会員4名はネパール・ドルポ地区B型肝炎根絶支援活動二回目の予備調査として奥ドルポを訪れる。神尾ドクターを中心に、タラップ、ティンギュー、シーメン、コマ、サルダンの各村の子供たち約200人に対しHBs抗原の診断検査を行った。
2022年
4月
ドルポのチョンゾン・グルンは同志社大学に入学し国際教養学部で学んでいる。

ドルポ基金30年の歩み

1996年8月
大谷映芳が中心となり、ドルポ基金を設立。ネパール(旧王国)の北西部、チベットとの国境に接するドルポ地方に対して、「将来、村の役に立つ人間を育てる」という考えに基づき援助活動を開始。この年はドルポ地方出身の子供二人ソナム・サングモ、チリン・メトを、ネパールの首都カトマンズにあるマウント・カイラス学校に奨学生として招き就学の援助を始める。

1997年8月
奨学生援助について、東京荏原ロータリークラブ(現在は東京品川中央ロータリークラブ)から資金援助を受けることになる。

2001年8月
国際ボランティア貯金の援助を受け、ドルポ地方ティンギュー村におけるドルポ医療センター建設を開始。4人目の奨学生ソナム・ドマがマウント・カイラス学校に入学。

2002年7月
ティンギュー村のドルポ医療センターが完成。
ドルポ基金の援助を受け、マウント・カイラス学校に就学していたソナム・サングモ氏が同校を卒業。ティンギュー村に戻り、医療センターのセンター長に就任。日本からは医薬品を届けることとした。

2005年5月
パブリック・ホールが完成。日本から4名のスタッフが現地に赴き、ホールの完成を祝うとともに村民の診療を行う。また、マウント・カイラス学校に5人目の子供ツェリン・ドルジが入学。
これまでのドルポ基金による活動を充実したものとし、また支援活動の範囲を広げるためにNPO法人EARTH WORKS SOCIETY(略称:EWS)を設立する。ドルポ基金はEWSの独立した部門として、ドルポへの支援を将来も続けることとなった。

2007年8月
奨学生チリン・メトは、高校卒業資格試験を優秀な成績でパスし、カトマンズ市内にあるザビエル・カレッジに入学した。

2010年6月
カレッジを卒業したチリン・メトは、ドルポ・クーラ・マウンテン学校に先生として赴任することになった。大久保勝EWS会員の支援で6番目となるチョンゾン・グルンがマウント・カイラス学校に入学。

2012年7月
奨学生援助の4人目の少女、ソナム・ドマは4月に優秀な成績でマウント・カイラス学校を卒業、将来、医療関係を学ぶためBrihaspati Vidyasadan Collage に進学した。政府のSLC(School Leaving Certificate 中等教育終了資格試験)で最優秀のレベルAという見事な成績だった。

 

2014年11月
カレッジで二年間学んだソナム・ドマは7月に優秀な成績で卒業、医学系の大学に進学すべく準備を始める。日本、欧米などの学校を検討したが、受験資格、費用の問題などでフィリピンマニラ市にある私立大学、Manila Central University(MCU) への入学を果たす。

 

2016年7月
EWS会員3名にて、5年ぶりにドルポのティンギュー村を訪問する。ソナム・サングモは結婚し二児の母親となっていたが、私たちが毎年届ける医薬品を村人に配布し、応急処置や簡単な手術もするようで、医療センター長としての役割を果たしてくれていた。

2017年4月
マウント・カイラス学校で学ぶツェリン・ドルジとチョンゾン・グルンは4月に最終学年である10年生となり、来年の卒業を目指し勉学に励んでいる。

2022年3月
ドルポB型肝炎根絶支援関連

大谷EWS理事長は3月13日カトマンズにて、ドルポから下山中のカルマ・チョンベル氏と今後のドルポ地区B型肝炎根絶支援について話し合いを行いました。カルマ氏は現在のティンギュー村を含むDolpo Bhudah Rural Municipality(ドルポ・ブッダ農村自治区)代表者です。 若かりし頃は、ドルポ基金・EWSによるドルポ医療センターやパブリック・ホールの建設にも携わりました。 氏の話によれば、ワクチン保管のための冷蔵庫、発電機はすでに購入済みで、輸送に協力してくれるヘリコプターが見つかれば、ワクチンとともに現地に送るそうです。 今後もその都度報告するので、今後もよろしくとのことでした。 5年以上かかるプロジェクトだと思われますが、今後も会員の皆様のご協力お願いいたします。

 

2023年夏
ドルポ地区B型肝炎根絶支援活動・報告②

ネパールのドルポ・ティンギュー地区委員会メンバーのガワン氏より、昨夏実施された B型肝炎ワクチン接種についてのリポートが届きました。15か月未満の乳児14人に 接種が行われたとのことで、本プロジェクトが大きく前進したことをうれしく思います。

 

接種終了後、ワクチン・カードを持つ親御さんたち (Ngawang Dholpo 氏より)

This year we have vaccinated total of 14 child under 15 months of age with Hapatitis B in Dolpo Buddha Rural Municipality. Seven (7) each from Tinje vellay and Dho Vellay respectively. We also have around 30 child under 24 months of age getting various vaccine from our health post. THE PROPOSAL:

Empowering Women’s Health: Utilizing Funds for Pregnancy Awareness and Incentives. For women’s health, it’s imperative to allocate funds efficiently to maximize impact. With a focus on promoting prenatal care and encouraging women to visit health posts during pregnancy, we can significantly improve maternal and infant health outcomes. By leveraging government-provided free vaccinations and implementing incentive-based programs, we aim to empower women to prioritize their health and well-being during this crucial period. I am proposing this because people in my region are unaware of health importance and they ignore basic steps during and after the pregnancy. Incentive-Based Rewards: Introduce incentive-based rewards programs to encourage women to visit health posts regularly during their pregnancy. Offer tangible rewards such as vouchers for essential baby items, nutritious food packages, or access to prenatal vitamins for each visit to the health post. Conduct extensive community outreach programs to raise awareness about the importance of prenatal care and regular health check-ups during pregnancy. Utilize various communication channels such as community meetings and informational pamphlets distributed in high-traffic areas to reach a wider audience. Education and Counseling: Provide comprehensive educational sessions on prenatal health, covering topics such as nutrition, hygiene, and the importance of vaccination during pregnancy and vaccination subscribed by the Ministry of Health to child after birth. Offer one-on-one counseling sessions to address specific concerns and provide personalized guidance to expecting mothers. Collaboration with Healthcare Providers: Collaborate closely with local healthcare providers and government agencies to ensure seamless implementation of incentive programs and to leverage existing resources effectively. Train healthcare professionals on the importance of promoting prenatal care and providing support and encouragement to pregnant women. Collect feedback from participants to continuously improve the program and address any challenges or barriers faced by pregnant women in accessing healthcare services. Conclusion: By strategically utilizing funds to promote women’s health and awareness during pregnancy, we can make significant strides towards reducing maternal and infant mortality rates and ensuring healthier outcomes for both mothers and babies. Through community engagement, education, and incentivization, we can empower women to prioritize their health and well-being, ultimately leading to stronger and healthier communities. Ngawang Gurung

 

EWS/ドルポ基金 大谷映芳